【開発ストーリー】初のレシピ開発はとにかく試作の日々。「生ガトーショコラ 苺 -いちご家めい-」ができるまで

2023.01.15 #Products

Minimalのバレンタインシーズンの定番、苺を使ったガトーショコラ。今年は昨年よりさらにアップグレードしたレシピでご用意しています。

レシピ開発を手がけるのは、今回開発初となるパティシエ・寺坂。開発期間が限られる中、日夜何度も試作を繰り返しついに完成した「生ガトーショコラ 苺 -いちご家めい-」の開発秘話をお届けします。


希少な苺“女峰”の魅力を最大限に活かすためには?

苺の魅力をギュッと濃縮した苺ジャム

寺坂
Minimalの商品開発で一番こだわっているのは、“素材”の魅力を最大限に引き出すことです。
今回でいえば主役は「苺」。Minimalでは3年前から香川県のいちご家めいさんの希少な苺である“女峰”を使わせていただいています。

女峰は甘味と酸味がもたらす香りが魅力で、開発段階ではムースにしたりと本当に何回も試行錯誤しました。

最終的には、苺ジャムに仕立ててガトーショコラと一緒に焼くのが一番風味が凝縮されて香りが引き立つことから、結果としてジャムを載せる形に落ち着きました。

テリーヌ生地を合わせ食感の違いを楽しめるように

寺坂
苺を引き立てる存在としてチョコレート生地を検討する中で、今年は「焼かないテリーヌ」の層を入れようと試みました。

Minimalの生ガトーショコラは“生食感の口溶け”が特徴ですが、テリーヌは焼かないことでさらになめらかな口溶けを楽しむことができます。
このテリーヌ層を一番下に据えることで、食べたときに舌に一番先に触れて溶け、よりとろける食感をプラスできるように設計しました。

生ガトーショコラにテリーヌをあわせるのは初めてのことでしたので、甘味の微調整をしやすいように加糖のタイミングをガトーショコラ生地を仕上げた後にするなど、慎重に製造を行いました。

タンザニア産カカオ豆で、3種のチョコレート生地

寺坂
今回、チョコレート生地は3種(ガトーショコラ、ホワイトチョコレート、テリーヌ)で構成しているのですが、すべてタンザニア産のシングルオリジンのカカオ豆を使っています。

カカオ豆を細挽きで浅煎りにすることで、果実感を出し、りんごのようなフルーティな味わいを目指して焙煎しました。苺との相性を考えて選んだ豆ですが、苺の風味を邪魔しない程度の味わいの強さを調整することに気を使いました。

口溶けの時間差を計算した3層構造

寺坂
3種の生地の食感の違いと、口の中での香りの変化を楽しんでいただけたらと思っています。

トップの苺ジャムの香ばしい風味がしっかりと感じられ、同時に一番下のテリーヌが口に溶け、焼きを入れていない分、カカオの果実味を感じやすくなっています。真ん中のホワイトチョコレートの甘味、ガトーショコラの焼き菓子感が加わり、テリーヌは余韻が伸びて最後まで香りを楽しめます。

じつは、ピスタチオとの組み合わせを最後まで試していました。

寺坂
じつはここだけの話ですが、今年の苺ではピスタチオとの掛け合わせることにもトライしていました。
生地にピスタチオを入れて焼いたり、10回以上の試作を行いながら最後まで粘ったのですが、納得のいくものに仕上がらず、今回は断念しました。

ピスタチオの味わいを入れようとすると、苺の印象を立たせることがどうしても難しくなります。他のメンバーとも相談し、今回の主役は苺なので、お客さんにも苺の魅力を一番味わってほしいことを考えると、やっぱりシンプルに直球で勝負しようと決めました。

バレンタインシーズンで、初の開発担当に抜擢。

ひたすらに試作と試食を繰り返した開発

寺坂
私が商品開発担当をさせていただくのは今回が初めてで、コンセプトを決めるところから苦戦していました(苦笑)。

毎年完売する人気シリーズで、たくさんの方々に楽しみにしていただいている商品ということでプレッシャーも大きかったのですが、妥協しないものをお届けしたいと一生懸命考えました。開発を既に担当しているメンバーからもアドバイスをもらいながら、日夜問わず試作を繰り返しやっと完成したガトーショコラになっています。

Minimalらしさとは?基本に立ち返って

寺坂
一番大変だったのは、味わいのバランスの調整です。シンプルな材料で組み合わせるので、甘さやチョコレートの強さの強度、苺に対する強度など、ちょっとしたバランスを崩すと、素材の魅力が活かせなくなります。

シンプルでありながら、Minimalらしさをどうすれば作れるかをずっと考えていました。そして、やっぱり素材の味わいを伝える上で、Minimalの「引き算の考え方」は一番大事だなあと改めて感じました。

今年も、苺の生ガトーショコラを多くの方に楽しんでいただけたら嬉しいです。

「生ガトーショコラ 苺 -いちご家めい-」

苺を最大限に活かす、1種のカカオ豆で表現した3層のチョコレート。

苺の酸味に寄り添うよう、果実味が特徴のタンザニア産カカオ豆をセレクトしました。

苺ジャムとの火入れのバランスを追求した生ガトーショコラ。自社で搾ったフレッシュなカカオバターを使用し、甘さのバランスを整えるホワイトチョコレート。なめらかな口溶けで食感に変化をもたらすテリーヌ。3層が組み合わさることで、異なる味わいと食感を重層的にお楽しみいただけるよう仕上げました。

チョコレート部分はタンザニア産の1種のカカオ豆で、生ガトーショコラ・ホワイトチョコレート・テリーヌと異なる3層で構成。その上に粒までしっかり残した苺ジャムをたっぷり載せています。季節限定ですので、ぜひお見逃しなく。

※オンラインストア・代々木上原店限定


ご購入はこちら >>

#Products

← Previous
【Minimalカルチャー対談】EUREKA!千葉麻里絵さん(後編)「食に•••
Next →
カカオ尽くしの驚きの7皿。昆布シェフと中村シェフによる、カカオを使ったデセ•••

Our Philosophy

引き算の哲学から生まれた、
新しいチョコレートのおいしさ

余分なものを引き算し、
カカオそれぞれの風味を引き立てる。
素材と真摯に向き合うことで生まれた
新しいチョコレートの体験を。

ABOUT Minimal Chocolate